正しい予算の考え方

これからリスティング広告を始めようとしたら、広告費がどのぐらいかかるのかが気になると思います。でもリスティング広告では、いくらかかるのかは私達に聞かれても分かりません。 広告費はあなたの会社が売るものの値段や 、販売目標によって変化するものだからです。

広告の予算は、全体の予算から考えてもうまくいきません。

それを理解していただくには、リスティング広告の2つの特徴を理解していただく必要があります。

リスティング広告の2つの特徴

「定価が決まっていない。入札単価はオークション制」

リスティング広告のクリック単価は条件ごとに変わります。競合が多い条件(キーワード・ページ・地域・ターゲット)ほど広告のクリック単価は高くなります。クリック単価の幅は1クリック1円~9,999円。人気の高いキーワードや競合の強い業種では、単価が上がる傾向にあります。だから人気も高くて単価も高い場所に出すのか、競合が気づいていない穴場の場所に出すのかで料金が変わってきます。

「リスティング広告はクリックされなければ無料」

従来の広告枠を買うマスメディア型の広告では、部数と表示される場所によって課金されていましたが、リスティング広告は何人に表示されてもどこに表示されても無料です。クリックされて初めて課金されます。なので広告文やバナーの内容を変えることでクリックされる数をコントロールすることが出来ます。結果、料金もコントロール出来るのが特徴です。

1000万円の広告費は高いとは限らないのが広告の値段

次に考えていただきたいのは、広告の適正価格についてです。広告費が高いか安いかは、単純な金額の問題ではありません。もしあなたが経営者の方であればご理解いただけると思いますが、WEB担当の方の場合、「広告の金額は単純な金額の高い安いで判断しない方が良い」とおぼえておいて欲しいのです。

良い広告とは「利益が出る」となる広告で、悪い広告はその逆です。極論を言うと広告費は1,000万円投資しても利益が1億円出れば会社にとってはお得な良い広告なのです。
じゃあリスティング広告の広告費はいったいいくらにすれば良いかというと、方程式がありますので、「利益が出る広告」にする手順をお伝えします。

1000万円の広告費は高いとは限らないのが広告の値段

顧客獲得コスト(CPA=Cost Per Acquisitionの略)を計算する

顧客獲得コストとは、お客様を一人獲得するのにかけるお金のことです。基本的には一人のお客様が会社にもたらしてくれる売上の20%~30%、または粗利の50%~60%を広告費に当てます。
この数値は会社の状況によって調整してください。
気をつけていただきたいのは、美容室だとかサプリメントなどの様にリピート性のある商品やサービスはその平均のリピート回数も考慮に入れてCPAを計算してください。このリピート購入も計算にいれた金額を顧客生涯価値(LTV)と言います。LTVの計算方法はLTV(顧客生涯価値)=単価×平均リピート回数で表されます。

顧客獲得コスト(CPA)の計算式
※LTVの20%で計算する場合 顧客獲得コスト( CPA )=顧客生涯価値( LTV )×20% ※LTVの50%で計算する場合 顧客獲得コスト( CPA )=顧客生涯価値( LTV )×50%

例えば以下のカラーコンタクトの通販サイトの場合で考えてみます。
・単価:3,000円
・粗利:1,200円
・平均リピート回数:3回
・顧客獲得コスト(CPA)=3,000円×3回×20%=1,800円 ※LTVの20%で計算する場合
・顧客獲得コスト(CPA)=1,200円×3回×50%=1,800円 ※粗利の50%で計算する場合
この会社の場合は、どちらの計算でも顧客獲得コストは1,800円程度にするのが良いということが分かります。お気づきの通り顧客獲得単価(CPA)は抑えるだけ利益率は高くなりますので、できるだけ抑えたくなりますが、低くし過ぎると機会損失をしてしまうことになります。利益率を高くしたいのか、販売数・新規客数を重視するのかによって決めてください。

販売数目標をたてる

リスティング広告で販売したい1 ヶ月の目標数を決めます。

広告予算を計算する

1ヶ月の広告予算=CPA×月間販売目標数

先ほどのカラーコンタクトの例で言うと
・CPA=1,800円
・販売目標=月新規200人
1ヶ月の広告予算=1,800円×200人=360,000円
リスティング広告の広告予算は月36万円が必要になるということが分かりました。この金額が予算的に難しいという場合は、月間販売目標で調節します。
実際には予算が決まりましたら、その予算で目標を達成するように広告文やキーワード、ランディングページを修正していきます。「最初は小さなテストを繰り返して全体を調整して、「利益が出る広告」になるまで改善を繰り返します」そして、「利益が出ることが確定したら、後はCPAをキープしながら利益が出る限り出来るだけの多く予算を投入する」のが正しい考え方です。

専門用語がたくさん出てきますが、このページの内容は重要ですのでしっかり理解してくださいね。