自社運用とプロ運用の差

リスティング広告をビジネスに活用する場合、自社で運用するか?プロに頼むかは悩むと思います。
どちらにも一長一短がありますのでご自身の会社の状況に合わせてお考えください。
まず前提として

  • ・今後のリスティング業界はますます高度化・複雑化・専門化します。
  • ・進化も早くトレンドの変化も次々起こり続けます。
結論として今後リスティングで長期的に成果を上げ続けるにはプロは必要。問題は社内でプロを育成するか、アウトソーシングでプロを雇うかの違いです。

インターネットでの集客が激化する今後、リスティング広告は誰が出稿しても成果が上がる時代ではなくなります。
なぜなら今までネットに関心が低かった世代の経営者がどんどん少なくなり、これからの経営者はインターネットでの集客は必須かつ重要になるとみんな痛感している世代だからです。経営者が変わるとネットにも本格的に資本投入してきますので、競合もプロを雇うことが増えて来ます。
リスティング広告のゴールは、「お客様に選ばれること」ですが、他社との競争に勝つために必要なものは、プロのスポーツチームが勝つために必要なものと似ています。つまり事前の準備と人材の確保・練習(改善)内容・設備・チームの歴史(ノウハウ)・スカウティング能力(リサーチ能力)が必要になります。
そこであなたに考えていただきたいことが2つあります。
リスティング広告を使ったインターネット集客の重要度と猶予期間です。

「どのぐらい重要か?」

最初に考えていただきたいのは、「リスティング広告はあなたの会社にとって、どれぐらい重要なのか」です。
「主力」または「次期主力」の集客方法として期待しているのか「とりあえずお試し」なのかによってかけられる予算も人材の質も変わると思います。

「いつまでに成果を出せばいいか?」

そして、もうひとつの視点が成果が出るまでにどのぐらい期間の猶予があるかと言うことです。これは会社の事情にもよりますし、業界の状況、お客様の要望の変化によっても違うと思います。
同業他社が(海外や他地域で)リスティングで成果を出しているのであれば、今すぐ売上を上げられる可能性を秘めています。
「即戦力」としてリスティングのプロを活用するのか、「長期的に自社スタッフ育成する」のか、あるいはそのどちらも重要だと思うのかと言うことです。

自社運用とプロ運用では大きく以下のような違いがあります。

自社育成は時間とお金がかかる

メリット
  1. 1.今日から始めることができる

こちらから申しこめば今から始めることが出来ます。
Yahoo リスティング
http://promotionalads.yahoo.co.jp/service/index.html
Google Adwords
http://www.google.co.jp/adwords/start/

  1. 2.スタッフまたは経営者が運用する場合、広告費以外の出費はない。
  2. 3.独自のノウハウが蓄積されれば、会社の財産になる。

リスティングを成功させるためには、自社商品の知識・業界の知識・お客様の心理・リスティングの経験・ホームページ制作能力の全てが必要になります。これらを自社内で意思統一・目標共有しながら運用することは競合他社に対して非常に強力なアドバンテージになり得ます。通販で大きく成功している企業は自社内に優秀なスタッフを育てることに成功しています。

  1. 4.リスティング広告の成果が自社の売上に直結する
  2. 5.業界の事情に精通しているスタッフを用意出来る。
  3. 6.最低広告費は数千円から始められる。
デメリット
  1. 1.スタート期にノウハウが無い。

リスティングの初期設定に関しては公式ラーニングでも解説されていますし、検索すれば初心者でも出来ると思います。ただし専門用語が次から次へと出てきますので、じっくり時間がある時に始めることをオススメします。例えばCPC とかCVRみたいな略語が2、30個出てきます。広告の基礎知識がない状況で始めた方には専門用語を専門用語で解説したようなサイトが山のようにヒットしてしまうかもしれません。

  1. 2.設定が悪いと無駄な広告費がかかる場合がある。

リスティング広告は設定によっては一日で数百万円の広告を消化することも可能です。もちろん利益が出るようにメンテナンス出来た後なら良いのですが、そうでない場合は気がつくまで赤字広告を毎日垂れ流し続ける場合もあります。

  1. 3.人材育成に時間がかかる。(コーチ出来る人材もいない)

リスティング広告で成果を出すには幅広い専門知識が必要です。さらに適材適所で専門部署に人員を配置するならば、最初からリスティングの適正の高い人材を育成したほうがいいでしょう。以下にリスティングに必要と 思われるモデル像を記します。ひとりで全てを持ち合わせている必要はありませんので、チームを作る場合は上手に組み合わせてみてください。

リスティング専任者に向いている15の特徴

パソコンやネットにある程度詳しい
数字に強い
地道な改善をコツコツ続けることができる
分析好きなタイプ
web解析が出来る
営業の現場を知っている
業界の慣習を熟知している
予算管理ができる
マーケティング全体像を把握している
10
セールスコピーや文章を書く能力が高い
11
htmlなどの簡単なホームページの知識がある
12
フォトショップやイラストレータなどでバナーを作成出来る
13
勤務時間以外にもリスティング広告を積極的に勉強してくれる
14
指示をしなくても自分から課題を見つけて取り組んでくれる
15
海外の英語サイトから最新の事例や情報を見つけるのが好き
  1. 4.成果が出るまでに時間が掛かる。(多くの場合やり始めは失敗する)
  2. 5.成果が出なかった場合、改善するノウハウもなく何が悪いのか分からない。
  3. 6.挑戦したものの、他の業務に追われてやめてしまう会社も多い。
  4. 7.リスティングのノウハウは会社の財産として蓄積出来る仕組みがないと、退社リスクがある。
  5. 8.なれない業務が増えるので嫌がるスタッフのモチベーションが下がる可能性がある。
  6. 9.いつまでにどのぐらいの成果が上がるのか予想がたてづらい。

アウトソーシングは時間と労力と経験を低単価で買える

メリット
  1. 1.スピード感(開始後数ヶ月で成果が出始める。)
  2. 2.最新情報・ルール変更への対応が早くて正確
  3. 3.スタートダッシュが決まる率が高い(的確なリサーチ、基本を押さえた提案が期待出来る)
  4. 4.異業種の成功事例をいち早く取り入れることが出来る。
  5. 5.同業種の海外や他地域のノウハウを有効活用できる場合もある。
  6. 6.大抵の場合人を一人雇うよりはリーズナブル(月数万円程度)
  7. 7.プロの運用を見て、自社のスタッフの育成に役立てられる場合もある。
  8. 8.忙しくて続かないということが無い
デメリット
  1. 1.広告費以外にチャージ料金(各社によって呼び名は様々あります)が必要
  2. 2.初期設定費用(リサーチ費用)がかかる場合もある。(かからない会社もあります)
  3. 3.自社案件にどれだけ注力してくれるか分からない
  4. 4.担当者の力量により成果が変わる。担当を選べない。
  5. 5.担当者が変わるリスク
  6. 6.広告費が少ない場合(月20万円以下)、広告費の多い他社を優先される場合もある。
  7. 7.あなたの会社の商品知識に関してはしっかり伝えなければ効果が出ない
  8. 8.提出されたレポートを見ても、今後どう指示したらいいか分からない。

リスティング広告の運用で自社運用とプロの違いまとめ

WEB集客で長期的に成果を出し続けるには、自社育成にしろ、アウトソーシングにしろプロが必要になります。
しかしプロの育成には費用と時間と経験が必要です。
「あなたの会社にとって、インターネットからの集客がどれぐらい重要なのか、いつまでに成果を出せばいいか?」
から逆算してみてください。

リスティングで成果を出すための事前準備については以下の記事も参考になります。
リスティング広告を始める前に抑えておきたい4つのフェーズと18の運用の流れ