日本上陸から12年、ハイスピードで進化し続けるリスティング広告の歴史

関連記事: 「 SEO とリスティング広告の違い」とあまり知られていない「12のリスティング広告」

  1. クリック課金型広告の誕生~読まれた分だけ課金される新しい広告
  2. 検索ネットワーク広告(検索連動型広告)日本上陸~広告と知らずにクリックされた新時代の誕生
  3. コンテンツターゲット(コンテンツ連動型広告)~低単価で莫大なトラフィックを呼びこむ広告の誕生
  4. 広告品質の導入
~誰でも上位表示できた時代の終焉
  5. 行動ターゲティング広告誕生~「どこに出す」から「誰に出す」かを選ぶ時代
  6. モバイルリスティング広告の開始
  7. 動画広告~youtube 広告はまだガラガラ
  8. スマートフォン広告の爆発的広がり~スマホが主戦場に
  9. リスティング広告の今後~パーソナル広告の時代へ
01

クリック課金型広告の誕生

読まれた分だけ課金される新しい広告

リスティング広告が登場するまでインターネット広告の主役はバナー広告でした。
従来のテレビや新聞・チラシなどと同じく、読まれる読まれないにかかわわずページビューの多さにたいして料金が発生する広告です。
クリック課金型広告は今までの広告業界の常識をくつがえす広告として登場しましたが、実際には参入する企業はほとんどいませんでした。

02

検索ネットワーク広告(検索連動型広告)日本上陸

広告と知らずにクリックされた新時代の誕生

2002年検索連動型広告が日本に導入された当初、一般のインターネットユーザーはリスティング広告枠の存在を知りませんでした。一部の業界を除くと、1クリック10円以下で非常に見込み度の高いお客様が集客できた時代が数年続きます。
掲載順位の決まり方も入札単価の高い順と非常に単純な仕組みで、広告の審査もまだまだゆるい状態から日本のリスティング広告の歴史は始まりました。

03

コンテンツターゲット(コンテンツ連動型広告)

低単価で莫大なトラフィックを呼びこむ広告の誕生

翌2003年サイトのコンテンツとテーマにあった広告を配信する コンテンツ連動型広告が開始されました。
同時にコンテンツ広告を表示する枠(Google AdSense)も開始。WEB上に無数の広告枠が急速に増えはじめます。
しかし、コンテンツターゲット広告は、はじめなかなか浸透しませんでした。それは検索連動型広告と全く異なる設定法にも関わらず、同じように広告設定をしてしまう人が多発していたからです。
当時Google Adwords のヘルプは日本語に対応しておらず、問い合わせもメールのみ、英語で問い合わせても、返信は冷たい定型文が帰ってくるだけ・・・。
ヘルプをしっかり翻訳して使いこなせている一部の人だけが、この広告の恩恵を受けていました。
中小ベンチャー企業でも、毎日1万人の集客ができる人がゴロゴロいた時代が数年続きます。

04

広告品質の導入

誰でも上位表示できた時代の終焉

この頃までは入札価格を上げさえすれば、どんな広告でも検索の上位に表示させることが出来ていました。極端な話「浜崎あゆみ」という女子高生が検索しそうなキーワードに「カラーコンタクト」の広告が1位表示するることも可能でした。
当時はエンジンの精度も今ほど高くありませんでした。(実際に無意味なSEOゴリゴリのサイトが上位表示されていた時代です)検索ユーザーからすれば「まだインターネットは使えない」と言う時代でした。
そこで 2005 年からGoogle は掲載順位の決まり方に「キーワード」と「広告文」と「広告の飛び先のサイト」の関連性を評価するこの「広告品質」の考えを導入しました。yahoo リスティングも数年後同様のシステムを導入します。(Google Adwords では品質スコア、yahoo リスティングでは品質インデックスと言います)
この「広告品質」の導入によりリスティング広告は、たとえ個人でも工夫次第で大企業より有利なポジションに広告を表示できる様になりました。

05

行動ターゲティング広告誕生

「どこに出す」 から 「誰に出す」かを選ぶ時代

インターネットユーザーはCookie と呼ばれる技術を使って、サイトの閲覧履歴(訪れた日時、訪問回数など)を記録されている。 この技術を利用してあるサイトを見た(興味を持っているユーザー)にだけ広告を表示させるのが行動ターゲティング広告と呼ばれるものです。
2008年Overture(現Yahoo!リスティング) によって、興味関心連動型広告(インタレストマッチ広告)が現れて注目を浴びました。ですが、実際にはPCは家族や会社で複数の人に使われていることも多く、当時は広告の表示精度はあまり高く無いと評価されていました。この状況は携帯やスマートフォン市場が拡大するまで続きます。

06

モバイルリスティング広告の開始

2006年 overture(現yahoo リスティング) 携帯電話向け広告「スポンサードサーチモバイル」開始
2006年 Google、Adwordsモバイル開始
※ スポンサードサーチモバイル2014年5月下旬 終了予定

モバイル版の検索連動型広告が始まった時も、検索エンジン連動型広告が開始された時と同じように初期の頃に参入した人は大きな先行者利益を得ています。当初携帯では若い世代向けの商材しか売れないと思われていましたが、徐々に3~40代の商材も売れるようになっていきます。比較的低単価な商材はバンバン売れる傾向にあります。
画面も小さく検索速度も遅いため、PCユーザーよりも比較検討せずに購入されることが多い様です。

07

動画広告

youtube広告はまだガラガラ

2007年 Google、Adwords 動画投稿サイトYouTube向け広告「オーバーレイ広告」開始。YouTubeで動画を見た時に画面の下の方にテキストやイメージ広告が表示されるのをご存知でしょうか?それがオーバーレイ広告です。莫大なトラフィックを持ちながら巨額の赤字を垂れ流し続けていたYouTubeが Googleに買収されたニュースを覚えておられる方も多いと思います。

この広告も当初なかなか参入者が増えなかったため、毎日数十万人に広告を表示しても、1クリック1円で入札しているので一日の広告費が100円以下という状態が長く続きました。今でも認知度UPやブランディングには十分使える広告です。

08

スマートフォン広告の爆発的広がり

スマホが主戦場に

iphoneが国内に登場して以降、確実に来ると言われていたスマートフォン市場がとうとう2013年に爆発しました。
モバイル広告の時よりも急激な売上が上がっています。携帯の場合、画面も小さく回線も遅いのでネットで買い物をする人一部でした。スマートフォンの場合は画面も大きく速度も比較的早い上に、若年層や年配の方にも使われているのが特徴です。あなたの周りにも今までPCは難しいと敬遠していたご年配の方で、スマートフォンなら調べ物をされている人がいるのではないでしょうか?

スマホ市場については、これから重要な市場ですので以下のページで詳しくお伝えします。
スマートフォン用リスティング広告

09

リスティング広告の今後

パーソナル広告の時代へ

わずか10年の間に、TV新聞に次ぐ第3番目の広告媒体となったインターネット広告ですが、広告の先進国アメリカではすでにTV広告の市場を上回っています。
今後は急成長するスマートフォン市場とfacebook を筆頭とするSNSの台頭でリスティング広告の世界に大きな変化が起きます。PCと違いスマートフォンもSNS も個人の特定がし易いからです。
今までマス媒体で非効率に出していた広告をピンポイントで「必要な人だけ」に表示することが可能になります。
リスティング広告の進化のスピードはめまぐるしく、仕組みも年々高度に複雑化しています。新しい(それもとんでもなく巨大な)広告掲載場所が突然増えたり、ある日突然管理画面自体が変わったり、進化する度に広告の設定や考え方のロジックを変更する必要があります。

今後もリスティング広告をうまく活用した企業と全く活用できていない企業に2極化していくことが予想されます。